福祉事業の経営は、「数字」で見える化することで改善のスピードが一気に上がります。その中でも特に効果が高いのが、@利用率、A職員定着率、B加算取得率という3つの指標です。これらを継続的に観察し、改善策を回すことで、事業所の安定運営だけでなく、働く職員と利用者双方の満足度まで高めることができます。
この3つの指標は、福祉事業が本来持つ価値と直結しています。
これらは単なる数字ではなく、各事業所が抱える“本当の課題”を映し出す鏡のような指標です。逆に言えば、ここが整えば、自然と事業全体が安定していきます。
利用率は、多くの事業所で最も気にされている指標です。
例えば、定員20名の事業所で利用率が80%から90%に上がると、国保連請求で年間数百万円単位の差が生まれます。また、利用率が安定している事業所ほど、相談員や家族からの信頼度も高く、新規利用につながる紹介も増える傾向にあります。
つまり、利用率は“売上”と“信頼”を同時に高める指標なのです。
職員定着率は、支援の質に直結します。離職が少ない事業所ほど、経験やノウハウが蓄積され、支援が安定します。
ある事業所では、人間関係や業務フローの見直しによって離職率が30%から10%にまで改善し、支援の一貫性が保たれたことで利用者満足度が大幅に上がりました。
定着率は「働きやすさ」「教育体制」「業務量」のバランスを見直すことで劇的に改善します。
加算取得率が高い事業所は、支援体制が整い、書類・会議・計画などが適切に回っています。
加算の取りこぼしは、年間の収益に大きな影響を与えるだけでなく、支援の漏れにつながることもあります。逆に、加算を正しく取得できる状態は、「支援計画が機能している」「職員が役割を理解している」という健全な運営の証拠です。
結果として、収益安定と支援の質向上が同時に達成されます。
福祉事業所が抱える課題の多くは、感覚ではなく「数字」で見える化することで解決への道筋が明確になります。
利用率・職員定着率・加算取得率の3つは、どの事業所にも必ず存在する経営指標であり、ここが整うだけで運営は驚くほど安定します。
数字は嘘をつきません。事業所の未来を変えるための“正しい羅針盤”になります。